自然界には、似たような形の要素を反復利用してできた形を多く見つけることができます。私たちはこれを自己相似性と呼んでいます。私たちはこれまでも、植物や海洋生物など様々な自然界の生物からインスピレーションを受けてデザインを行っています。

自己相似性は、私たちの対象の認識の仕方に、豊かさを与えています。ある対象に部分と全体、またはリズムや調和性を感じるのも、この性質があることによるのです。

この性質と、それから私たちが受ける認識の差は、ある対象をデザインする時に私たちにいくつかの選択肢を与えます。

例えば薔薇をデザインする時、一つ目の選択肢は薔薇の花をデザインすることです、花はとても象徴的な形をしているので、花を見ただけで私たちはそれが何の花なのかを直観的に理解することができます。では花びら1枚をデザインしたらどうでしょうか?私たちは、一つの対象の調和性の中で部分としての花びらにそれほど注意を持っていないので、花びら1枚では対象を十分に表現することは難しいかもしれません。では逆に、もっとスケールを大きくして、薔薇の庭のデザインはどうでしょうか?枝や葉がランダムに心地よく成長している間に点々とランダムに咲く花の景色をイメージすることができます。この時私たちは、複数の花がランダムに置かれている状況に心地よさを感じています。

このように、私たちが注目する全体性とスケール、また対象の複雑さによって、私たちの対象への感覚はいかようにも変化していきます。

今回私たちがデザインしたい対象は、一つの象徴的な花ではなく、花畑のように、一つの花ではその性質を十分に語りきれないような対称のデザインでした。

部分としての、三角形よりも方向性を感じやすい四角形のひし形の形は、その相似形が場所に応じて小さくなったり大きくなったり変化することで、ネックレス全体に心地よいリズムを与えています。円環状のネックレスを回して正面に見える模様を変えることで、ネックレスの全体の印象が少しずつ変わります。体の線に応じてチェーン部分がイレギュラーに回転することで部分に予想外の面白さを作っています。、一般的なネックレスより全体のサイズは大きいのにもかかわらず、部分と全体または群れについての私たちの認識の仕方により 、実際に身に着けた時にはそれほど大きすぎる印象を与えません。